県立高校の外国人教師が外部委託に!

危ぶまれる教育の質  県の説明責任は?

4月から県立高校で始まった新たなプログラム。それは外国人英語講師をすべて民間会社任せにするという施策です。この影響で、県立高校現場は混乱に陥っています。

子供達に深刻な影響を与える計画は、県民どころか学校関係者の同意も、十分な説明も情報もないまま、短期間のうちに県教委内で密かに進められてきました。

神奈川県の英語教育の質を低下させかねない業務委託。果たしてこの方法で、松沢知事が目指す国際交流事業への熱意が活かせるのでしょうか?


学校教育まで外注化していいのでしょうか?

 20064月、神奈川県立高校の英語教育において、大きな変化がありました。「高校英語教育の充実に向けたネイティブスピーカー(英語を母国語とする人)の配置」と『県のたより』5月号の表紙に紹介されている事業です。

 これまでも県立高校には、県教委を通し学校と直接契約をしていたPFTと呼ばれる外国人英語講師(指導助手)たちがいました。彼らは日本人の英語教師と共に教壇に立ち、チームティーチングで生徒に“本物の英語”と触れさせる役割を担ってきました。県教委は彼らの雇用を打ち切った上で、本年度2億1052万円で㈱インタラックという民間企業に業務委託(外注請負)= 丸投げしてしまったのです。外注化で節約できた経費は。昨年比160万円安にしか過ぎません。


2カ月にして多くの問題が噴出し、高校は混乱しています。

高校の教員たちもすでに約700人が外国人英語講師の外注化反対に署名しています。


学校教育の業務委託は、違法!

 業務委託=外注化は、さまざまな面で教育現場にそぐわない面があります。

  1. 外注会社に所属する外国人講師に対して、学校も教育委員会も指揮管理ができません。

 「授業の指揮管理権限」が学校になくなり学校教育法違反です。万が一講師が学校

    で問題を起こしたとき、学校や教育委員会はどう責任を取るのでしょうか?

  1. 県教委にも、学校にも、外国人講師の選択権がありません。→ 講師の質が懸念されます。

  2. 各校の状況に合わせて開発されてきたカリキュラムが崩れ、長年築き上げて来た日本人英語教員とPFTたちとの息のあった授業展開ができません。→ 授業の質が低下します。

  3. 会社の都合で、数カ月で講師が変わることもあります。→ 生徒との関係が築けません。

  4. 企業が手数料を取る分、講師たちの給料が減るため、優秀な講師は他の仕事へ流れてしまいます。→ 未熟な講師しか集まらず、講師の質が著しく低下します。

・・・など、学校教育の質を下げる可能性があるのです


血税が何千万円も民間企業に流れてしまう上、英語教育の質が低下を招く業務委託。

最後にしわよせがくるのは、生徒たちなのです。保護者のみなさん、いま、あなたのお子さんの高校で何が起きているか、英語課担当主任に、教頭、校長に確認してみてください。県民のみなさん、私たちが納税した税金が正しく有効に使われるよう,メディアに訴え、県に説明責任を求めましょう。

子どもに良質な教育を与えるため、そして、秩序ある教育現場を取り戻すために。  

参考 神奈川県教育委員会 教育局高校教育課 ☎045-210-8260(直通) FAX045-210-8922

   発行:神奈川PFTの会 kanagawapfts@hotmail.com